0191-25-2221
細菌検査室では、患者さんから採取された材料(痰、尿、膿、血液など)を顕微鏡で見る他に培養してどのような病原菌がいるかを見つけ出し、その病原菌にどのような薬が効くのかの検査を行っています。
一般的な細菌は大きさが1μm程度(1mmの1000分の1)であるため、顕微鏡を用いて観察を行います。
材料をスライドガラスに塗抹し、染色を行って細菌や細胞成分などを観察します。菌は赤や青に染まります。色や太さ、形(丸・長い)などで菌を推定し、この時点で感染症を起こしている菌を推定することも可能です。
黄色ブドウ球菌 |
大腸菌 |
検査材料(痰、尿、膿など)を、特殊な寒天(培地といいます)に塗って発育環境下で一晩置いておくと菌が発育します。発育した菌の集落の形態・生化学的性状などを調べてどのような種類の菌かを決定します。
寒天に生えた大腸菌(尿検体) | 生化学的性状を調べるキット |
病原菌に対して、どのような薬が有効かを調べる検査です。
近年、抗菌薬(抗生物質)が効かない菌(薬剤耐性菌)が出現して世界的な問題となっています。薬剤耐性菌にも様々な種類がありますが、細菌検査室ではこれらの耐性菌の判定も行っています。
96穴プレート (1つ1つの穴に様々な薬が入っています) |
薬剤によって発育が阻止されている大腸菌 |
結核やその仲間の菌は、一般的な細菌と同じ検査だけでは検出が難しいため、少し特殊な操作で検査を行います。結核菌は一般的な肺炎を起こす菌と異なり、菌が空気に乗ってふわふわと遠くへ飛んで行って他の人が吸い込んでしまうため(空気感染といいます)、患者さんだけでなく周りへの影響も大きいので感染対策の上で重要な検査です。
結核菌(オレンジ色が菌体)